ワゴンセールPOPの作り方|売れない原因「つまづき」を現場で解決する

ワゴンセールPOPの作り方|売れない原因「つまづき」を現場で解決する

ワゴンセールは、うまく回ると「在庫が動く」「ついで買いが増える」「客寄せになる」が起きます。
一方で、現場では「安くしてるのに売れない」「ぐちゃぐちゃで店が散らかって見える」「レジで揉める」「貼り替えが続かない」で止まりがちです。

ここで大事なのは、ワゴンセールは“安さ”よりも「探しやすさ/選びやすさ/不安がない」で売れやすくなる、という点です。
その役割を担うのが販促POPです。

この記事では次の流れで整理します。

STEP
ワゴンセールが失速する「つまづき」を6つに分解する
STEP
つまづきごとに、POPで解決する“情報の書き方”と“置き方(エリア)”を決める
STEP
貼り替え地獄を避ける運用ルールに落とす
STEP
明日から試せるチェックリストで仕上げる

※この記事では「常設ワゴン(通年の特価・処分コーナー)」と「催事ワゴン(週末やイベント時の期間限定)」の両方に効くように書いています。どちらも、つまづく点は似ています。

この記事の「ワゴン」と、POPの置き方(3つのエリア)

この記事の「ワゴン」は、網カゴワゴン/平台(上にカゴを置く台)/箱型(深い容器)など、特価コーナーを作るための移動什器の総称です。
形が違っても話が通るように、以降はPOPの置き方を「エリア」で説明します。

「ワゴン」と、POPの置き方(3つのエリア)

遠目エリア
2〜3m離れていても気づく位置(A4スタンド、吊り下げ、近くの高い位置など)

商品エリア(近距離)
中身を見ながら読める位置(分類札、カテゴリ札)

手元エリア
商品を手に取る時に一緒に視界に入る位置(クリップ札、差し込み札、ミニスタンド)

※本文の「縁(手が届く位置)」は、網カゴならクリップ、平台ならミニスタンド、箱型なら差し込み札などで再現できる「手元エリア」のことです。

目次

まず押さえる:ワゴンPOPは「3段」で作ると事故が減る

ワゴンPOPは「3段」で作ると事故が減る

ワゴンは棚より情報が散りやすく、目に入る時間も短いです。だからPOPは“全部説明”ではなく、短く階層化します。

ワゴンPOPは基本、次の3段で考えると安定します。

ルール
見出し(大)

売場の意味を一瞬で伝える。

ルール
ルール(短)

割引の条件・価格の基準を最小の言葉で伝える。

ルール
例外(小)

揉めるポイントだけを先に潰す。

たとえば見出しは「ワゴン特価」「在庫限り」「お買い得ワゴン」など、店の言い回しで構いません。
重要なのは、見出しの直下にルールが続くことです。見出しだけだと「結局いくら?」「どれが対象?」の不安が残ります。

つまづき1:対象の境界が曖昧(「これも対象?」が頻発)

「ワゴン全品セール」だけで走り出して、例外が増えるパターン

このつまづきは、売れないだけでなくレジ混乱とクレームに直結します。商品が“紛れ込む”こと自体は現場で起きます。だから、POP側で境界を作っておくのが先です。

解決の軸は「境界POP」と「分類札」です。
境界POPは見出し(大)で「ここからここまでが対象」を強く示し、ルール(短)で「対象の決め方」を添えます。
たとえば「このコーナー内の青シール商品が対象」「このコーナー内の“赤札”のみ対象」のように、目で判別できるルールに寄せると強いです。

例外(小)は、揉めるものだけに絞ります。「一部対象外あり」は弱く、逆に不安を増やしやすいです。
「対象外:新作/予約品/ギフトセット」など、店で実際に混ざりやすいものを短く書きます。

置き方は「遠目エリア」+「手元エリア」が基本です。「遠目エリア」で気づかせ、「手元エリア」で確信させます。
「手元エリア」(商品と一緒に見える位置)に小さめの対象札を付けると、迷いが減りやすくなります。

つまづき2:割引ルールが混在(%OFFと○円、よりどりが同居)

ルールが多すぎて、客もスタッフも判断できないパターン

ワゴンは“掘る”行為が入る分、判断が面倒だと一気に離脱します。そこでPOPは「このワゴンコーナーのルールは1本に寄せる」が基本です。

おすすめは、まず次のどれか1つに固定することです。
「全品○%OFF」「全品○円均一」「2点で○円(よりどり)」のように、比較の基準を一本化します。
複数ルールをやる場合は、同じコーナー内に混ぜず、ワゴン(什器)を分けるか、什器内を物理的に区切って“別売場”にします。

POPの書き方は「見出し(大)=ルール名」「ルール(短)=条件」「例外(小)=併用不可」までで止めます。
たとえば「よりどり」は「組み合わせ自由」「同一商品OK/NG」だけが先に必要です。細かい注意は、レジ前の補助POPへ逃がすと読みやすさを保てます。

POPの書き方は「見出し(大)=ルール名」「ルール(短)=条件」「例外(小)=併用不可」
見出し(大)+ルール(短)「割引率」の場合

つまづき3:「結局いくら?」の不安が消えない(値札そのまま・レジ値引き)

安いはずなのに、安心できず買われないパターン

値札を貼り替えない運用は現実的です。ただし、「遠目エリア」でセールに気づけず、「手元エリア」(商品と一緒)でも割引ルールが確信できないと、「セールに気づかない」「損しそうで怖い」が起きやすくなります。

このケースは、POPで“安心の材料”を足します。
ルール(短)には「レジにて○%OFF」「会計時に○円引き」のように、適用タイミングを必ず入れます。
さらに、「手元エリア」に「目安例」を1つだけ置くと不安が減りやすいです。
たとえば「例)1,000円の商品→レジで20%OFF→800円」のように、代表価格でよいので計算の負担を減らします。

例外(小)は「対象外」より「併用不可」を優先すると揉めにくいです。
たとえば「クーポン・会員割引は併用不可」など、レジで発生しやすい話に絞ります。

つまづき4:掘り出す気にならない(ただの投げ込みに見える)

商品がバラバラで“探すコスト”が高すぎるパターン

ワゴンは「掘り出し物感」を作りやすい反面、無秩序に見えると“面倒”が勝ってスルーされます。

ここはPOPで「分類」を作るのが最短です。
分類の切り口は、店で迷いが出にくいものが向いています。たとえば「用途(消耗品/小物/季節もの)」「価格帯(〜500円/〜1,000円)」「サイズ(小さめ/大きめ)」などです。
分類札は、「商品エリア」〜「手元エリア」に置きます。「遠目エリア」に分類を置くと、近づく前に「自分に関係ない」と判断されて離脱しやすいからです。

見出し(大)は「在庫処分」でも「ワゴン特価」でも構いません。
実務的には、見出しで寄せすぎず、分類で“自分ごと化”させるほうが買われやすい場面が多いです。

つまづき5:ワゴンが散らかって、店全体の印象が落ちる

手直しが追いつかず、売場が“古く”見えるパターン

ワゴンの崩壊は、売上だけでなくブランド感にも影響します。特に小規模店では、ワゴンが店の印象を代表してしまうことがあります。

販促POPでできる現実解は「戻し先を作る」ことです。
「商品エリア」〜「手元エリア」に「このへんに戻す」の目印(分類札)を置くと、客もスタッフも戻しやすくなります。
また「人気・残り少ない」などの煽りよりも、「ここは特価コーナー」「分類ごとに並んでいます」のように、秩序を感じる言葉を入れるほうが散らかりにくいです。

置き方としては、「遠目エリア」に小さな注意POPを貼りすぎないのがコツです。情報が増えるほど、見た目が雑になりやすいです。
注意は「例外(小)」に集約し、点在させないほうが結果的に整います。

つまづき6:貼り替えが続かず、運用が止まる(更新されないセール)

“毎回作り直し”前提で設計してしまうパターン

ワゴンセールは、続けられないと価値が出ません。POPも「作って終わり」ではなく、差し替え前提で設計したほうが回ります。

おすすめの運用ルールはシンプルです。
見出し(大)は固定にして、変えるのは「価格のルール」だけにします。
たとえば、見出しは「ワゴン特価」のまま、今週だけ「全品500円」「全品20%OFF」を差し替えます。

例外(小)も固定札にしておくと、毎回書き直さずに済みます。
「対象外」「併用不可」「返品・交換」など、揉めやすいものは“定型札”にしておくと運用コストが下がります。

そして最後に、担当と頻度を決めます。
「毎日整える」ではなく「開店前に3分」「週2回だけ総入れ替え」のように、現場で守れる粒度に落とすと継続しやすくなります。

どんなPOPセットがあると回るか(作る人向けの整理)

ワゴン運用をPOPで安定させるなら、最低限この3種があると強いです。
A4などの見出しPOP「遠目エリア」:遠目で気づかせる
分類札「商品エリア」:掘りやすくする
ルール札+例外札「手元エリア」:不安を潰す

すぐ見直せるチェックリスト(ワゴンセールPOP)

  • ワゴンの見出し(大)を見て、売場の意味が1秒で分かる状態になっていますか?
  • ルール(短)に「対象の決め方」と「適用タイミング」が入っていますか?
  • 例外(小)は“揉めることだけ”に絞れていて、読みやすい量ですか?
  • 「遠目エリア」と「手元エリア」(商品と一緒)に、最低2か所の情報ポイントがありますか?
  • 「商品エリア」に分類札があり、戻し先が分かる状態ですか?
  • 見出しは固定、差し替えるのはルール札だけ、という運用にできていますか?

まとめ:ワゴンが売れないとき、最初に直すのは「安さ」よりPOPの設計

ワゴンが売れないとき、最初に直すのは「安さ」よりPOPの設計

ワゴンセールのつまづきは、値引きの強さというより「探しにくい/選びにくい/不安/続かない」に集約されます。
販促POPを“3段(見出し/ルール/例外)”で組み、「遠目エリア」・「商品エリア」・「手元エリア」の配置を決め、差し替え前提で運用すると、ワゴンは売場として安定しやすくなります。

次の一歩としては、まず今あるワゴンに「見出しPOP「遠目エリア」と「ルール札「手元エリア」」を1枚ずつ追加し、レジで揉めた内容だけを例外札にしていく運用が現実的です。
(POPの文字の優先順位や数字の見せ方は、別記事の「価格・割引POPの数字の見せ方|%OFFと◯円引きどちらで見せるかの考え方」も合わせて見ると、さらに整えやすくなります。)

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