ゴンドラなしでもOK|A4で作る棚帯の作り方(折り棚帯)

ゴンドラなしでもOK|A4で作る棚帯の作り方(折り棚帯)

棚帯(たなおび)は、制作コストが低いのに、売場の印象を一気に変えやすい販促物です。
棚の前を通るたびに視界に入り、棚全体に「意味」を付けられるからです。

ただし、棚帯は什器によって“やりやすい作り方”が変わります。
ゴンドラ什器のようにレールPOPが使える棚もあれば、レールが付けられない棚もあります。
この記事では後者、つまり「レールPOPが使えない什器でも回る方法」として、ラミネート後に折って立体にする“折り棚帯”の作り方をまとめます。

この記事では次の流れで整理します。

STEP
什器別に最適解を切り分け(ゴンドラ/非ゴンドラ)
STEP
折り返し幅は棚の高さで決める(25mmは一例)
STEP
紙とラミ厚のおすすめ仕様(コシを出す)
STEP
作り方・貼り方・運用と失敗回避

結論:非ゴンドラ(レールなし)なら、折り棚帯が貼りやすく目立ちやすいです。

  • 幅は決め打ちではなく、棚の高さで決めるほうが失敗しにくいです(25mmは一例です)。
  • 強度は「厚手用紙(0.21〜0.23mm)+100μラミ」がバランスを取りやすいです。
  • デザインは盛るより運用。継ぎ目・めくれ・交換単位を先にルール化すると続きます。
目次

棚帯は低コストで売場が変わる。ただし什器で“やり方”が変わります

棚帯は低コストで売場が変わる。ただし什器で“やり方”が変わります

棚帯の強みは、1枚のPOPで説明するのではなく、棚全体を「同じ意味の売場」に揃えられる点です。
カテゴリ棚なら探しやすくなり、セール棚なら“お得棚”としてまとまりが出ます。
結果として、売場の迷いが減り、スタッフ側も説明コストが下がります。

一方で、什器によって取り付け方が変わります。
ここを無視すると「作ったのに付けられない」「すぐ剥がれてやめた」が起きます。

ゴンドラ什器(レールPOPが使える)ならレールPOPが早い

レールが使える棚なら、レールPOPのほうが取り付けが速く、差し替えもしやすいです。
まずはレールで運用し、それでも「もっと棚全体の印象を強くしたい」ときに棚帯を追加する、という順番でも問題ありません。

ゴンドラ以外(レールなし)には「折り棚帯」が回しやすい

レールが付けられない棚では、棚のフチに貼るタイプの棚帯が難しいケースがあります。
剥がれやすい、位置が揃わない、貼り直しが面倒になる、などです。

そこでおすすめなのが、ラミネート後に折ってL字の立体にし、棚板にテープで固定する“折り棚帯”です。
フチ貼りよりも立体感が出て目立ちやすく、取り付けも「棚板に止めるだけ」に寄せられます。

ミリデザイン推奨:フチに貼らない「折り棚帯」(立体感+貼りやすさ)

折り棚帯は、棚のフチに貼るのではなく、棚の上面側(または内側)にテープで固定します。
棚の素材や形状に左右されにくく、作業が単純になるのがメリットです。

「棚帯=貼るのが大変」という印象がある場合でも、止め方を変えるだけで現場運用がかなりラクになります。
作って終わりではなく、更新し続ける前提で考えるなら、まずは“貼りやすい形”を選ぶのが得策です。

棚板に貼る部分(20mm)+棚帯部分(20mm)の場合

※折り返しのサイズは売場によって変わるので、棚に合わせてカスタマイズします

まず決める:折り返し幅は棚の“縦幅”で決めます

まず決める:折り返し幅は棚の“縦幅”で決めます

25mmや50mmは分かりやすい例ですが、棚の縦幅(高さ)が違えば、見え方も貼りやすさも変わります。

ここでは「幅の決め方」を固定して、数字は“あとから棚に合わせて決める”流れにします。

測るのは1つ:棚板の縦幅(高さ)

棚板の前面(見えている縦幅)を測ります。
棚によってはフチが厚かったり、前面が斜めだったりしますが、基本は「お客様から見える棚の縦幅」を基準にします。

仮折りで当てて決めます(目立つ/邪魔にならない/固定しやすい)

折り返し幅は、次の3条件で判断すると迷いにくいです。
1つ目は、遠目でも帯として認識できること。
2つ目は、商品や値札の邪魔をしないこと。
3つ目は、棚板にテープで固定しやすいことです。

まずは仮の幅で折って棚に当て、見え方と邪魔さを確認します。
幅が足りないと目立ちにくく、幅が大きすぎると邪魔になりやすいので、棚の高さに合わせて微調整します。

目安の出し方

※数値は“例”として扱います
目安として、折り返し幅は棚の縦幅に対して「小さすぎず大きすぎない」範囲に置くと安定しやすいです。
たとえば25mmはあくまで一例で、棚が低い場合はもう少し小さく、棚が高い場合はもう少し大きくしたほうが見え方が整うことがあります。

重要なのは、数字そのものではなく「棚に当てて決める」ことです。

印刷用紙とラミ厚で“棚帯のコシ”が決まります(おすすめ仕様)

 印刷用紙とラミ厚で“棚帯のコシ”が決まります

折り棚帯は立体にして目立たせる分、コシが出ないとたわみやすくなります。
コシが弱いと、見た目の効果が落ちるだけでなく、交換が面倒になって運用が止まりやすいです。

おすすめは「厚手用紙(0.21〜0.23mm)+100μラミ」です

ミリデザインでは、厚さ0.21〜0.23mm程度の用紙に100μラミを組み合わせる方法をよくおすすめしています。
強度、コスト、加工性(折り・スジ入れのしやすさ)のバランスが取りやすいからです。

店舗の現場では「安く・早く・そこそこ強く」が重要になります。
厚手用紙+100μは、その条件を満たしやすい標準仕様になりやすいです。

コピー用紙+100μは強度が弱く、おすすめしにくいです

コピー用紙に100μラミをかける方法は手軽ですが、棚帯としてはコシが弱くなりやすいです。
折って立たせたときにたわんだり、時間が経つと形が崩れたりして、立体感が続きにくくなります。

まず試す用途として完全に否定はしませんが、「棚帯としてしっかり目立たせたい」なら避けたほうが無難です。

150μ以上の厚ラミも可能ですが、現場ではハードルが上がります

150μ以上のラミを使えば強度は上げやすい一方で、コストが上がりやすく、厚みが増えるほど折りやカットなどの加工がしにくくなります。
また、厚手ラミに対応したラミネーターが必要になり、機材が高価になりがちです。

そのため、総合的には「厚手用紙+100μラミ」が、コストと強度のバランスを取りやすい選択になりやすいです。

作り方:ラミ後に“スジ入れ”→折って完成(折り線は例でOK)

ここから作り方です。
ポイントは、折り線を「切り抜き」にせず、カッターの刃の裏や、本当に浅~~く1~2回スジを入れて、折りやすくするだけで十分です。

手順1:A4で印刷し、ラミネートします

A4で棚帯を印刷し、100μでラミネートします。
長尺にしたい場合でも、最初はA4を基本単位にしておくと、交換や更新がラクになります。

手順2:裏面に“折り線(スジ入れ)”を入れます

ラミの裏面に、決めた折り返し幅の位置で薄くスジを入れます。
カッターで強く切るのではなく、定規を当てて浅くなぞるイメージです。
本当に浅~~く1~2回のほうが切り過ぎ事故が減ります。

手順3:折り線に沿って折り、L字にします

スジ入れしたラインで折ります。
折りが甘いと立体感が弱くなるので、折り目はしっかり付けます。ただし、強く折り過ぎて割れるようなら、スジ入れが深すぎる可能性があります。

A4で印刷した棚帯

例として、最終的にこのような形で印刷 → ラミネート → カットの流れになります。

※サンプル画像はA3印刷用に作成したものです。

貼り方と運用:継ぎ目・めくれ・ズレを減らすルール

棚帯は「作れた」より「続けられる」が重要です。
運用でつまずくポイントを先に潰しておきます。

継ぎ目が目立つ/ズレるときは“貼る順番”を固定します

継ぎ目が目立つ原因は、貼る順番がバラバラで段差ができることです。
いつも同じ方向に重ねる、同じ位置から貼り始める、といった“順番ルール”を決めておくとズレが減ります。

また、長尺で一気に貼るより、A4単位で区切って貼るほうが更新が止まりにくいです。

端がめくれるときは“テープ位置”と“端処理”を見直します

端のめくれは、テープが端から遠い、または端が引っかかる位置にあると起きやすいです。
端に近い位置で止める、端が擦れやすい場所を避ける、といった調整で改善しやすいです。

棚の材質や清掃頻度で剥がれやすさは変わるため、テープは1択にせず、店舗の環境で合うものに寄せるのが現実的です。

よくある失敗パターンと直し方(非ゴンドラ向けあるある)

折り線を深く切りすぎて破れます

スジ入れが深すぎると、折ったときに割れたり破れたりします。
本当に浅~~く1~2回、が基本です。
もし破れるなら「スジを浅く」「用紙を厚めに寄せる」「ラミ厚を上げる前に紙を見直す」の順で調整します。

幅が合わず、目立たない/邪魔になります

幅が小さすぎると棚帯として認識されにくく、幅が大きすぎると商品や値札の邪魔になりやすいです。
数字を固定するのではなく、仮折りに戻して“棚に当てて決める”のが一番早いです。

固定位置が悪く、すぐ剥がれます

フチや摩擦の多い場所に貼ると剥がれやすくなります。
棚板の上面や内側など、擦れにくい位置に固定すると安定しやすいです。什器の都合で上面が使えない場合は、固定位置を少しずらすだけでも改善することがあります。

デザインは最低限:棚帯は「短い言葉を繰り返す」だけで効きます

棚帯は情報を盛るより、短い言葉を一定間隔で繰り返すほうが効きやすいです。
棚帯に説明を詰め込むと、結局読まれず、棚のノイズになりやすいです。

色やレイアウトなどデザイン面を作り込みたい場合は、別カテゴリで「棚帯デザインの型(文字量・優先順位・テンプレ化)」として整理するほうが、記事同士の役割分担がきれいになります。
まずはこのページの手順で“貼れて続く棚帯”を作り、見た目の最適化は次の段階に回すのがおすすめです。

まとめ:非ゴンドラ店舗は「折り棚帯」で低コストに売場を揃えられます

レールPOPが使えない什器でも、折り棚帯なら運用に乗せやすく、売場の印象をまとめやすいです。
ポイントは、幅を決め打ちせず棚に合わせて決めること、そして紙とラミ厚でコシを出すことです。

最後に、作業前のチェックリストだけ置いておきます。

  • 棚板の縦幅(高さ)を測り、仮折りで幅を決める(数値は一例にする)
  • 用紙は厚手(0.21〜0.23mm目安)+100μラミを基準にする
  • 折り線は裏面に浅いスジ入れ(切り抜かない、浅く数回)
  • A4単位で区切り、貼る順番と重ね方を固定する
  • 端のめくれはテープ位置と擦れやすい場所を避けて調整する
目次