値札(プライスカード)は、POPの中でも「一番よく使う」のに、意外と作り方が自己流になりやすい販促物です。
結果として、価格が読みにくい・売場の統一感が崩れる・差し替えが面倒で更新が止まる、という“もったいない状態”が起きます。
この記事では、デザイン初心者でも外しにくい「値札の型」と、現場で回る「テンプレ化(運用ルール)」までをまとめます。
最後に無料素材(ai)も用意しています。
- プライスカードをオリジナルでデザインしたい
- デザインが初めてでもそれなりのものを作りたい
この記事では次の流れで整理します。
価格が一瞬で読める
ここが分岐点
必須→任意→別カード
3種類まで
結論:プライスカードは「価格が一瞬で読める」が最優先です

プライスカードの役割は、基本的に「安心して買える情報を、短時間で渡すこと」です。
目立たせたい気持ちよりも、まずは読めること。ここがブレると、どんなに整っていても効果が落ちやすいです。
まず守る3原則(視認性/情報量/統一感)

値札で最初に守りたいのは次の3つです。
視認性:価格が迷わず読める。
情報量:必要なことだけ書く(説明しすぎない)。
統一感:売場の値札が同じルールで並んでいる。
「デザイン」より先に「ルール」です。ルールが揃うと、デザインは自然に整います。
先に決める2点(設置距離=文字サイズ、テンプレ数=運用コスト)
値札は“近くで読むもの”ですが、棚の奥行きや混雑で、意外と距離が出ます。
だから先に「どの距離で読ませたいか」を想定して、文字サイズの基準を持っておくと安定します。
もう一つはテンプレ数です。
テンプレを増やすほど、作るのは楽に見えて、運用(差し替え・統一)が難しくなります。
この記事では「テンプレは3種類まで」を基本にします。
まず決める:サイズ・設置方法・使用シーン(ここが実務の分岐点)

同じ値札でも、設置方法が違うと「読みやすい形」が変わります。
先に“置き場所”が決まると、余計な迷いが減ります。
棚札(クリップ/差し込み)向きのサイズ感
棚の前面や商品前に付ける棚札は、情報が近いぶん、小さくても読めます。
ただし小さいほど「価格以外は削る」判断が必要です。
商品名を全部入れようとして詰め込むと、価格の視認性が落ちます。
ポイントは、棚札は「価格+識別できる商品名(短め)」が基本です。
卓上・平台向きのサイズ感
平台の上に置くカードは、視線が上から落ちるので、棚札より余白が重要です。
余白があると読みやすく、売場の“整っている感”も出ます。
逆に、余白がない平台カードは雑に見えやすいので、情報を増やすより余白を優先します。
「遠目で拾うPOP」と「商品と一緒に読む値札」は役割が違います
値札は「商品と一緒に読む」ものです。
遠目に気づかせる役は、基本的に別POP(棚帯、吊り下げ、A4スタンドなど)に任せたほうが安全です。
値札が“宣伝”まで背負うと、文字が増えて崩れます。
値札は値札の仕事に集中させるのが、最終的に売場全体の成果につながりやすいです。
値札に入れる要素は何が正解?(必須→任意→別カード)
迷ったら「必須」「任意」「別カード」に分けて考えると整理できます。
必須:商品名/価格(+必要なら単位・規格)
最低限、商品を識別できる名前と、価格が必要です。
規格違いがある商品(容量・サイズで価格が変わる等)は、単位や規格も必要になります。
ただし、商品名を“正式名称どおり全部”入れる必要はありません。
棚の前で「これのことだ」と分かる範囲に短くして、読めることを優先します。
任意:短い訴求コメント(入れるときの条件)
「人気」「新作」「スタッフおすすめ」などの短いコメントは、効く場面もあります。
ただし、値札にコメントを入れるのは「テンプレが崩れない」ことが条件です。
コメントは、入れるなら一言まで。
二言目からは情報過多になり、価格の視認性と差し替え効率が落ちやすいです。
任意:商品画像(入れるべきケース/崩れるケース)
値札に画像を入れるのは、基本的には優先度が低いです。
商品そのものが目の前にあるので、画像の役割が薄いからです。
例外として、サービスメニューや、パッケージが見えにくい陳列の場合は、画像が助けになることがあります。
ただし画像を入れるとテンプレが崩れやすいので、「画像入りテンプレは別枠」に分けて管理したほうが安全です。
- 商品名が長かったり商品パッケージの商品名が小さいorわかりにくい場合、プライスカードに商品名だけでは位置が少しずれているとお客様が見失う可能性があります
- 小さくでも商品画像を入れておけば価格と商品がしっかりリンクします
- 商品画像の形状が商品ごとに異なるので、プライスカードをテンプレ化したいときに困る


おすすめ運用:コメントは“別カード”で足す(値札テンプレを守る)
現場で一番安定するのは、値札は値札として固定し、コメントは別カードで足す運用です。
値札テンプレが守れるので、差し替えが速くなり、売場の統一感も出ます。
「訴求もしたい」は自然な要望です。
だからこそ、役割を分けるのが現実的です。
- コメントによって訴求力が上がるため売上UPが見込める
- プライスカードのサイズが限られているので、コメントの文字数に制限があるため商品ごとにコメントのライティングが必要になる

デザインのコツ:背景・色・フォント(迷ったらここだけ)
値札は“見せる”より“読ませる”が優先です。
迷ったときの判断基準を、背景・色・フォントで固めます。
背景はシンプルでOK(主役は価格)
背景を凝るほど、価格の視認性が落ちやすいです。
紙っぽい質感や薄い模様は使えますが、文字の裏で主張しないレベルに抑えます。
背景に悩んだら、無地に戻すのが正解です。
「無地=手抜き」ではなく、「無地=読みやすさの設計」です。
そこまでこだわる必要はありません。シームレス背景などが楽でいいです。
背景の色を決めるときは先にプライス部分を何色にするか決めてからマッチする背景色に設定するといいでしょう。
例えばプライスを赤にしたいのであれば背景は黄色系とか。
数字にフチを設定するのであれば多少親和性の高い色でも大丈夫です。
とは言うものの出来るだけ親和性の低い色を設定した方が良いでしょう。



フォントは奇抜にしない(ゴシック基調、明朝は条件付き)
値札はゴシック系が基本です。
価格は太めで、商品名は読みやすい標準ウェイトにします。
明朝は“雰囲気”は出ますが、細い線が多く、小サイズで読みにくくなりやすいです。
使うなら大きめ表示や、余白が取れるカードで限定すると事故が減ります。
お店の雰囲気的に明朝系を使いたいのであれば、フチは相性が悪いので背景色と文字色の設定に気をつけましょう。


配色の決め方:価格色→背景色の順(同化を避ける)
配色は「背景」から考えると迷います。
おすすめは「価格の色(強調色)→文字色→背景色」の順です。
重要なのは、価格が背景に同化しないこと。
コントラストが出ているかだけ確認すれば、配色は十分に成立します。
レイアウトの型:価格と商品名の“強弱”を固定する

値札のレイアウトは、毎回デザインしないほうが良いです。
強弱(どれを大きくするか)を固定すると、量産と統一が両立します。
価格は最大、商品名は「読める程度」でOK
値札は価格が主役です。
商品名は「読める」ことは必要ですが、価格より目立つ必要はありません。
「商品名を大きくしたい」と感じる場合は、売場に同名商品が多いなど、識別の問題が起きている可能性があります。
その場合は、商品名を大きくする前に“短縮ルール”を作るほうが運用が安定します。
位置関係の基本:上=商品名、下=価格(例外:低価格訴求)
基本形は、上に商品名、下に価格です。
視線が上から下に流れるので、自然に読めます。
例外は「低価格を強く訴求したい」ケースです。
ただし例外を増やすとテンプレが増えるので、例外は“別テンプレ”として分離するのが安全です。
レイアウトパターン(コメントあり/情報多めの逃がし方)
ここでは、現場で使い分けやすい“型”だけ押さえます。
型A:標準(商品名+価格)
型B:情報多め(規格・注意書きが必要)
型C:コメント別カード(値札は固定、訴求は追加)
型を増やさないことが、最終的に一番効きます。
その他レイアウトパターン
要素が混在する場合のレイアウトパターンも少しご紹介します。


テンプレ化のコツ:作るのは「3種類まで」にします(運用で勝つ)
値札は、作ること自体よりも、更新し続けることが重要です。
テンプレを3種類までに絞ると、差し替えが速くなり、統一感も出ます。
標準(商品名+価格)
ほとんどの商品はこれで対応します。
文字の位置、余白、価格のサイズを固定して、差し替えるのは商品名と価格だけにします。
情報多め(規格・注意書きが必要な商品用)
食品の内容量、複数規格、注意書きが必須の商品は、最初から“情報枠”を確保したテンプレにします。
標準テンプレに無理やり詰め込むと崩れるので、テンプレで解決したほうが早いです。
コメントは別カード(必要な棚だけ足す)
おすすめはこの運用です。
値札が崩れないので、全体の完成度が上がりやすいです。
商品名が長いときのルール(2行化/省略基準)
商品名が長い問題は、デザインではなくルールで解決します。
たとえば「最大2行」「それ以上は省略」「省略するときは型番や容量を残す」など、店の中で基準を決めます。
“毎回悩む”が一番コストです。
ここを固定すると、かなりおすすめできるレベルで運用が回り始めます。
印刷・加工・差し替えをラクにする(現場の詰まりどころ)
値札は「作って終わり」ではありません。
差し替えがラクだと更新頻度が上がり、売場の鮮度が保てます。
用紙・ラミネート・カットの考え方(大量更新前提)
耐久性を上げたい場合、ラミネートは有効です。
ただし反射で読みにくくなることがあるので、照明が強い売場では注意が必要です。
カットは、更新頻度が高いほど“手間”になります。
最初から同サイズで揃え、切る回数を減らす設計にしておくと運用が安定します。

表示の注意:まずは「税込か税別か」が誤解なく伝わること
価格表示は、業種や運用、表示ルールの確認が必要になる領域です。
ここでは法解釈の断定はせず、トラブル回避として“誤解が起きない表示”に寄せます。
「税込」「税別」を曖昧にしない
店頭では、お客様は細かい前提を読みません。
だからこそ、税込なのか税別なのかが見て分かるようにしておくのが安全です。
迷う場合は公式情報を確認する
制度や解釈は変わる可能性があります。
最終判断が必要な場合は、公式情報(国税庁など)や専門家の確認を前提にしてください。
よくある失敗パターン(直すとどう良くなるか)
ここは「ありがち」なやつを先に潰しておく章です。
デザインの正解探しより、失敗回避のほうが即効性があります。
背景や装飾が勝って、価格が読めないパターン
背景が主張すると、価格が一瞬で読めません。
装飾を足す前に、無地に戻して価格のコントラストを確保すると改善しやすいです。
商品名が長すぎて、テンプレが毎回崩れるパターン
商品名を全部入れようとすると、毎回レイアウトが崩れます。
2行上限・省略ルールを先に決めると、テンプレが守れて運用が安定します。
コメントを全商品に入れようとして、運用が破綻するパターン
コメントは便利ですが、全商品に入れると差し替えが止まります。
値札は固定し、コメントは必要な棚だけ別カードで足す運用にすると、売場の統一感と更新頻度が両立します。
【無料素材】プライスカード(ai)を配布します(使い方3ステップ)
この記事の内容をすぐ試せるように、無料素材(ai)を用意します。
テンプレは「標準」「情報多め」を中心に、差し替えやすい構造にしておくのがおすすめです。
直接データに触れながらもう一度読み直していただければと思います。
使い方は次の3ステップです。
- 商品名と価格だけ差し替える(まずは1棚分でOK)
- 色は1か所だけ変える(価格色だけなど、変更点を絞る)
- 印刷して設置し、読みにくい棚だけ微調整する
最初から完璧を狙うより、「直す場所が分かる状態」にするのが近道です。

関連記事(次に読むおすすめ)
値札が整うと、次に効いてくるのは「背景の作り方」「大量制作の効率化」「価格訴求(セール数字の見せ方)」です。
このあたりは、プライスカードとセットで読むと、売場の完成度が上がりやすくなります。



まとめ:値札は「型」と「運用ルール」で勝ちます
値札は、毎回デザインで頑張るものではありません。
価格が一瞬で読める型を固定し、テンプレを3種類までに絞り、差し替えが回る運用にする。
これだけで、売場の統一感と更新頻度が上がりやすくなります。
次の一歩としては、まず1棚だけでOKなので、
「標準テンプレ+コメント別カード」の組み合わせを試してみてください。

