お店でPOP(ポップ)を制作する時まず必要な作業はデザインデータ作りですよね。手書きPOPは除きますが基本的な流れとしては
今回取り上げたいのは1のデザインデータ制作を工夫して3のカットを早く、綺麗に行う方法です。
- デザインデータ制作時のひと工夫でカット作業の効率が激変
- POPの制作数が増えれば増えるほど効果は倍増
クライアントの店舗にお邪魔した時にスタッフの方が一生懸命POP制作しているのですが、デザインデータの制作の仕方が効率的ではなくすごく時間がかかってしまっている光景をよく見かけます。
その都度効率よくカットできる方法を教えるのですがほぼ100%で「今までの時間はーー!!」と嘆かれております。
あと出来上がりも綺麗なのでそこも驚かれてますね! じゃあ実際にどんな方法なのかと言いますと、デザイナーさんであれば当たり前のように使うカットライン(裁ち切り線・トンボ)と塗り足しというものがあるのですが、これを使ってカット効率を大幅にアップさせちゃいます。
カットを早く綺麗にするためのデータ作り
カットを早く綺麗に仕上げるために重要なのはカットに適したデータを作ることです。そこで重要になってくるのがカットラインと塗り足しです。
よく見かけるPOP(ポップ)のデータ制作
よく見かけるのが次のような出力です。
これではPOP1つにつき4辺カットしなくてはいけなくすごく手間がかかります。
さらに少し外にカットがずれると白い紙部分が出て見た目もよくありません。
カットの手間で言えば少し効率化はされてますね!
上のPOPの下辺と下のPOPの上辺を同時に切る、左右は一括でカットできるので効率としてはこれが一番です。
しかし出来上がりを見てみると…白い部分が出たりカット用の線が見えたりとこれも見た目がよくありません。
カット用の線を無くすためにカットライン(裁ち切り線・トンボ)を、ずれた時に生じる白い紙部分を無くすために塗り足しを使うことによって効率よく綺麗に仕上げることができます。
では図を交えてカットライン(裁ち切り線・トンボ)と塗り足しのつけ方を説明します。
カットラインをつける
本来カットするラインに対して外側にカットラインを引いておきます。
実際にカットする時はこのラインに定規を当ててカットするのですが、仕上がりサイズの外側にラインを引いているので出来上がったPOPにカットラインが現れることはありません。
これがズレてしまうと本末転倒なのでガイドなどを利用してしっかりとカットラインを引きましょう。
塗り足しをつける
カットラインの外側が白いままだとラインは現れなくなりますが結局ずれた時に白い紙部分があわられてしまいます。それを防ぐために塗り足しというものをつけます。
カットラインの外側まで塗り足しをつけてあげれば、ずれても塗り足しがあるので白い紙部分は現れません。
カットラインと塗り足しは必ずセットで使い、効率良いカットができるようデザインデータ作りを行なってください。
文字などはカットラインより少し内側に
カットライン・塗り足しとは関係なく注意したいことですが、カットラインギリギリまで文字など切れては困る要素を入れると、ずれた時に切れてしまいます。
見切れるようにわざとデザインする場合もありますが、そうでない場合は余裕をもって内側に要素を入れるようにしましょう。
カットの仕方
簡単にカットの仕方と注意点、大量にある場合のさらに効率の良い方法などをご紹介します。
カットラインに定規を合わせてカット
カットする場合はカットラインに定規を当ててカットします。
端まで切りすぎないように注意
カットする時に注意しなくてはいけないのが端まで切ってしまわないようにすること。
切り切ってしまうとカットラインも一緒に切り離されてしまい、カットする場所がわからなくなってしまいます…
カットする際は端まで切ってしまわないようにカットライン上で止める感覚で切るようにしましょう。
何枚もある時はホッチキスでとめて重ねて切る
何枚もカットしなくてはならない場合は一枚一枚カットするのは手間なので重ねて切ってしまいましょう。
その際は紙の端をしっかり揃えてホッチキスで止めてからカットしましょう。
重ねる時は向きに注意してください。上下左右揃えないとカットラインが異なりますのでずれてしまいます。あと、あまり重ねすぎるとカットしづらく、力も必要で失敗しやすくなったりもしますので自分に合った枚数にとどめましょう。
カッターをしっかり選んで効率UP
カッターも適正なものを使用するだけで作業が楽になります。
簡単にカッター選びのポイントと注意をご紹介します。
カッターの切れ味で仕上がり、手の疲れ、早さが変わる
カッターの切れ味が悪いと切り口が汚くなったり、重ね切りを行うなら何回もカットしないといけないなど悪いことばかりです。
こまめにカッターの刃を交換して切れ味を維持するようにしましょう。
切りやすいカッターは少し重いもの
単純に今回のようにカットしていくだけの作業であれば大きめで少し重めのものが良いです。
カッター自体に重さがあるとその分カットの時に重心が安定し、しっかりと力が伝わります。
【番外編】ラミネート加工した場合どうやって重ね切りするの?
今回ご紹介した重ね切りは紙などをカットする方法です。パウチ(ラミネート)加工した場合はどうでしょうか?
ラミネートフィルムに紙を挟んで熱でフィルムと紙をくっつける加工ですが、重ね切りの場合少々厄介なことがあります。フィルムに紙を挟む時、毎回同じ場所に寸分のくるいも狂いもなく紙を配置することは不可能です。ということはパウチ(ラミネート)加工したものを重ねて切ろうとすると必ず大きなズレが生じるということになります。
ってことはパウチ(ラミネート)加工したものは一枚ずつカットするしかないのでしょうか?
実はあります!そんな厄介なものでもしっかり重ね切りする方法が!
詳しくはまた別記事にてご紹介します。